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10時始業のメリットデメリットを考えてみる。
私が新卒で入社した職場は、始業時間が10時でした。マスコミ・広告業界は概して遅く、だいたいどこの会社も9:30始業です。私の大学の同級生には、銀行や証券など金融業界に勤めている友人が多いのですが、みな朝が激早で、絶対自分には無理だと思ったものです。マスコミの始業が遅いのは、ビデオリサーチから前日の視聴率が送られて来るのが9:15なので、それが届かない限りは商売にならない、というのが表向きの理由ですが、実際のところ、徹夜の編集や深夜までの宴会で朝がツラいというのが、本当の理由だと思います。
そんな中、私の勤めていたテレビ局は10:00始業という、大変恵まれた環境でした。その代わり1分でも遅れたら、マジで怖かったです。一度、ほんの数分遅刻してしまった事があったのですが、数分のあいだに机と椅子などあらゆるものが撤去されていて、地ベタにPCと電話だけが置いてました。その日はまる1日、地べたにしゃがんで仕事をしました。わずか数分のうちに、どうやって書類の詰まった超絶重いデスクを撤去して、PCの配線を整理して接続し直たのかは、謎です。
翻っていまの自分の会社ですが、現在は9:30始業とさせていただいております。メディアの会社ですし、銀行や証券会社のように朝早く出社する必要はありません。社員の健康を考えると、なるべくラッシュに遭わない時間設定が理想です。自分自身、高校時代は奈良県から1時間半かけて大阪の学校に通っていたので、通勤の辛さはよくわかります(大学時代は朝に学校とかまず行きませんでした。結果留年しました)。東京ほどではないですが、大阪の私鉄・地下鉄のラッシュは結構つらいもので、途中で気分が悪くなることもしばしばでした。
日本のほとんど取引先様は9:00から動くので、そう簡単ではないですが、条件が許せば、私の前職のように10:00始業のほうがいいのかなと思った事もあります。
しかし、当社は東京と台北に拠点を置いているので、両拠点の事情を勘案すると、若干悩ましくもあります。台湾と日本の時差は1時間。日本の午前10時は、台湾の午前9時です。日本側を10時始業、台湾側を9時始業にするのが、同じ時間にスタートできるのでそれはそれで良いのですが、何だか日本側を優遇してるみたいで不公平感が出そうな気もしますし、かと言って台湾も10時始業にしてしまうと、その時点で日本は11時で遅すぎます。
フレックスでええやん、という声もあったのですが、フレックスは諦めました。理由は①不公平感が出やすい事、②働き方がルーズになりそうな事(自分だったら絶対そうする)、③勤怠管理する人事部機能が追いつかなそうな事、などなどです。
いろいろググってみると、10時始業のメリットは、通勤ラッシュ回避以外にも色々あるようです。どこまでホンマか分かりませんが、オックスフォード大の神経科学の名誉臨床研究員であるPaul Kelley博士は、学生を対象に調査を行った結果、朝8時台、9時台に始業した場合、10時、11時スタートの場合に比べて、仕事や学習の能率が下がる傾向があったそうです。ホンマかいな、と思う一方、確かにそうかもと思い当たる節も少なくありません。あとは銀行・郵便局や役所に寄ってから出社できるのもメリットです。
わずか1時間の差ですが、10時始業のメリットは大きいようです。