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もといた会社がやたらMAにアグレッシヴな件
女子高生社長・椎木里佳さんのパパが創業した「鷹の爪」「ポプテピピック」で有名なDLEが、粉飾をやらかしてパパが退任し、私の古巣・朝日放送が同社を買収して、私が辞めた時の営業部長さんが社長になりました。世の中何が起こるか分かりません。
粉飾の顛末はコチラ→【株主・東証を舐めすぎか?】DLE 東証上場前からの粉飾決算を暴露
で、朝日放送が同社を買収したのは元よりニュース等で聞いておりました。不正会計があったとはいえDLEは強いコンテンツをたくさんもっている企業ですから、時価総額が下がったところで買収に動いたのは、実に鮮やかなご判断と拝察しておりました。
そんなある日、台北の爽やかな朝のことでした……
↑ 素でエグい! カフェで日経新聞電子版にてよ〜く知ったお顔を拝見し、盛大にコーヒーを吹きましたw
で、ありがたいことに勝山社長から久々に会いたいとご連絡をいただき、先日ご挨拶かたがた、同社に伺ってきました。
まだ着任して2週間という事で、ウォーターサーバーの使い方もままならないくらい、分からない事だらけという感じで、本人もこの度の着任に「びっくりした」とおっしゃっていました。それまで朝日放送ラジオの社長をなさっていたので、たしかに昔ながらのスタイルが色濃く残るラジオ局の社長から、イケイケクリエイターとノリノリ営業マンばかりのコンテンツカンパニーの社長になるのは、結構マインドチェンジが大変だなと感じました。
そしてそれより何より大変そうだなぁと思ったのは、買収した会社に落下傘のように降りていくという事。KDDIの支援を得て有望なベンチャーをどんどん買収し「ハイブリッドスタートアップ論」で有名な森岡康一氏は、M&Aのあとしばらくは細心の注意が必要、と言います。
買収された側の社員は、GHQの進駐軍がやってくる、というほどにすら、最初のうちは内心恐々とするからです。買った側の方針や自分の想いを、買われた側の役員や社員に浸透させるのは簡単ではないし、じっくり時間と手間がかかるんだなぁ、と感じました。しかし勝山さんが人望厚く決断力に富み、信頼できるボスであることは他ならぬ私が良く知るところです。すぐに人心をしっかり掌握し、大将として大胆に采配を振るわれることと確信しております。
さて、このたび朝日放送はDLEの過半数株式を27.7億円でお買い上げ、ということですが、本業のテレビCMが頭打ちの中、M &Aに活路を求めるのは、絶対的に正しいと思います。にも関わらず、放送局の制作や報道の現場には「俺らはカツカツの制作費でやってるのに、やれ何十億円の出資とか買収とか、会社は何を考えてるのか」とか言う声が社内に少なくない、と先日ある入社同期から聞きました。そういう人はマジ何にも分かってません。頭の中お花畑です。敢えて言いますが、いま放送局にいる人たちの、入社時の志望動機の99%は「制作局で面白いバラエティをつくりたい」「報道局で社会の真実を伝えたい」「スポーツ局で感動を伝えたい」という、テレビをつくりたい人たちです。だから「どうやって金儲けするか?」という事に長けている人は、ほとんどいません。(私は新規事業開発がしたくて放送局に入りましたが、新しい商売に挑戦するという雰囲気は、少なくとも当時全くありませんでした)
いまの放送局で中年世代は”現状維持”でも逃げ切って年金ゲットでしょうが、30代以下の若手世代は、放送事業だけではおそらく食っていけません。少なくとも、今のような超絶高い給与水準は維持できません(マジでエグいくらい高い)。本業が堅調で体力のある内に、次の事業の柱を作る、作る時間と手間が惜しいなら買う、と言うのは極めて真っ当な経営判断です。
↑ABC ドリームベンチャーズというCVC(Corporate Venture Capital)をつくって、スタートアップにバシバシ投資しているそうです。
辞めた自分が言うのもおかしいですが、他局に先駆けて、リスクを取って果敢に打って出る朝日放送は、やっぱりスゴい会社だなと思いました。