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ビジネスに必要な事は全て、コーエーが教えてくれた②
観光の仕事をしていると、いわゆる”歴史ブーム”の根強さ、裾野の広さをありありと感じます。特に引きが強いのは、やはり「幕末」。「尊敬する人物は坂本龍馬です!」というビジネスパーソンの方から「土方歳三かっこいい!」という歴女の方まで、多くの人を惹きつけてやまない魅力が、幕末にはあります。
しかしながら、この時代は複雑で混沌としていて、誰が何してどうなって明治維新に至ったのか、なかなか理解するのが難しいです。「龍馬伝めっちゃみた!」という人でも、ペリー来航から大政奉還までの大きな流れをしっかり把握している人は少ないはずです。なにせ各藩の藩論が開国から攘夷(外国人排除)までぐっちゃぐちゃで、それがまたコロコロと二転三転しながら、変化していきます。
幕府ガンバレ!の佐幕派は徐々に「もう幕府だけだと無理だから朝廷でコラボしよう!」という公武合体へ、夷狄(いてき=野蛮な外国人)斬るべし!の攘夷派は「もう幕府自体既得権益のオワコンだわ。江戸幕府をぶっ壊す!」という倒幕運動へと、進展していきます。「何でそんな意見変わるの!?」というのが本当にわかりづらい。
例えば長州藩(山口県)はもともとはバリバリの攘夷論者「夷狄全員Kill(斬る)!!」で、京都で暴れまわってたところに薩摩の陰謀で朝廷から締め出されたり、有能な藩士(つってもテロリスト)が宴会中に新撰組の襲撃を受け多数死亡したり。さらにイギリス・アメリカ・フランス・オランダ連合艦隊に下関をボコボコに砲撃されたところで急遽方針転換。「やっぱ攘夷無理だわ、もう江戸幕府をぶっ壊す!」。結果そのまま江戸幕府を倒してしまいます。
土佐藩(高知県)はお殿様がとても賢くて(しかしクソ酒飲みで、朝からデフォルトで酔っ払っている)「門閥で政治しゆうがはもう止めや!開国して殖産興業起こすき!」という藩論だったのに、家老の吉田東洋が武市半平太らのテロで暗殺されて攘夷に急転換!かと思いきや殿様が怒って武市半平太を切腹させ、薩長の倒幕に一気に加担。
そして一番エゲツないのが薩摩藩(鹿児島県)で、当初は幕府に味方して「攘夷攘夷うるさい長州は、朝廷から排斥しもんそ!」と、幕府と結託して長州を追い出したかと思えば、ヤミでコソコソと最新鋭の軍備を整えて、突如手のひらを返し、自分でボコった長州と結託して倒幕の主役におどり出るというヤバさ。「薩摩隼人」と聞くと勇敢な武士をイメージするし、それ自体は間違ってないのですが、それと同時に、江戸から遠いのを良い事に幕府にナイショで琉球(沖縄)と密貿易したり、かと思えばちゃっかり将軍家と婚姻を結んでみたり、そして絶対返す気がない250年ローン(!)を組んで平気で踏み倒したり、陰湿(失礼)な権謀術数に長けているというのも、垣間見えます。歴代有能な藩主が多かった事から「島津に暗君なし(薩摩藩の殿様にバカはいない)」とも言われました。
そんなわけで日本全国の藩が入り乱れ、しっちゃかめっちゃかするので、この複雑さはなかなか捉えづらいのです。実際、アメリカもイギリスもフランスも「何やこの国、県ごとにめっちゃ世論変わるやん!そもそもこの国で一番偉いのは天皇なの?将軍なの?」という印象を受けたそうです。こんにちの大学受験日本史でもこの時代は「えっ、また言うてる事が変わるの!?」の連続で、受験生を悩ませます。
そんなぐちゃぐちゃな動乱の時代を楽しく理解できるのが、このゲームです。
聞きなれない「リコエイションゲーム」というジャンル。Wikipediaによると、リコエイションゲーム(RÉKOEITION GAME)は、コーエー(発表当時光栄・現コーエーテクモゲームス)の造語で、同社が提唱するコンピュータRPGとシミュレーションゲームの概念を融合したコンピュータゲームの総称、との事です。
自ら幕末の要人や志士となって、日本全国を走り回り、各藩の藩主や家老など要人を説得して藩論を変えて行くもよし。或いは自らの腕力を頼み、自分の意に沿わない要人を斬り倒して暗殺してしまうもよし。
例えば坂本龍馬でプレイすると、日本全国を回って各藩を説得しに行きたくても、身分が低いからなかなか要人に会えず、会ったところで「学」数値が低いので議論で言いくるめられるので、勝海舟のような幕臣を味方につけたり、適塾や海軍伝習所などで学問を積んで、議論で負けないようにする、というような展開になります。
↑勉強して学を積んでいなければ議論すらできない!いまも昔も同じです。
或いは近藤勇でプレイしたら、新撰組を組織して土方歳三や沖田総司など屈強な剣士を思うままに動かし、幕府を転覆させようとする攘夷派のテロリストや危険思想の持ち主を斬りまくって、京都で大暴れできます。
↑弁舌で説得できないなら斬るのみ!燃えよ剣!!!剣はペンよりも強し!!!
ゲーム内の京都で暴れまくってから京都市内観光をすると、面白さ格別です。
「うぉっ、この居酒屋はなの舞、むかし(新撰組が長州藩士を斬りまくった)池田屋だったのか!」
とか、
「おおお!(坂本龍馬が暗殺された)近江屋の跡は、今かっぱ寿司になってんのか!(前はサークルKだった)」
とか。近ごろ京都市内に溢れかえっている外国人観光客にはわからないでしょうが、これこそ京都市内観光の醍醐味の一つです。
さらに、明治維新に直接は関与しないのですが、忘れていけないのがこのスコットランド人。幕府側・明治新政府側両方に武器を大量に供給しまくったグラバーです。
幕末最強の武器商人、トーマス・グラバー。この人の何がすごいかと言うと、徳川幕府軍・明治政府軍両方に武器を売っていた事です。両軍ともに、グラバーから最新鋭の武器を買わないと戦争に勝てないので、グラバーさんにとっては「どっちが勝とうが、どうでもいい」わけです。何なら両軍やりあえばやり合うほど儲かるわけです。最強のビジネスモデルです。
で、これっていわば、今のキャッシュレス戦争と構図はおんなじ、とも言えます。キャッシュレス規格はほぼWinner Takes All(勝者総取り)の戦争ですから、Paypay、LINE Pay、楽天Pay等がシェア争いに必死です。とにかく勝つまでプロモーションを打ち続けなければなりません。こうなると美味し〜〜〜いのが広告業界でして、テレビ局からしたら、各社がどんどんやり合うほどスポットCMが売れて、ウマいわけです。
↑もう見飽きた、大輔さんのPaypayダンス。
テレビ局はどこが勝っても良いわけで、グラバーみたいに「ゴヨウハナンデスカ」って言ってれば良いわけです(笑)
最近のタクシー広告もそうです。現時点でタクシー助手席の裏っ側にあるビジョンが、最高にB2Bサービスの費用対効果が高いので、特に資金調達したばかりのベンチャーはみなこぞってあそこに広告を出します。ビジョンを運用する会社はほっといても武器(広告)が売れる寸法です。
↑こちらももういやと言うほど見た、照英のヒラメ筋。
ぼくもグラバーになりたいなぁ(笑)
てなわけで、ゲーム「維新の嵐」はエンタテインメントして楽しみながら、幕末の動乱を広く深く理解できます。私はこの高校時代このゲームをきっかけに、幕末を駆け抜けた人々に興味を持つことができ、受験勉強にも大きく役立ちました。現代日本の国家としての形は、明治維新にともなう近代化によって形成されました。この国家の形をゼロからつくった人たちの物語に、様々な挿話を交えて親しむ事でより理解が深まり、また受験専用知識のように試験が終わったら忘却する、ということもありません。
また、インバウンドの仕事をしていると日本各地を訪問しますが、「この地域をどう輝かせるか?」を考える時、その地域の歴史を知ってるか知らないかは本当に大事です。
↑こういうリポートができるのも、歴史を知ってればこそ!!!
コーエーのゲームと桃鉄は、当社の必須科目と言って過言ではありません。
桃鉄への愛は、また改めて書きます。
家康!いや、慶喜!!!