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新型肺炎の日本国内における感染拡大と、台湾訪日客への影響
2月16日現在、日本各地で新型肺炎の感染が拡大しております。
日本に対し高い信頼を置く台湾も、今回の事態に関してはかなり厳しく見ているように思います。「日本は感染拡大阻止に失敗した」という報道も、台湾で増えてきました。
台湾では、武漢で肺炎が蔓延した初期段階で防疫の警戒レベルを引き上げ、中国から台湾への入国を湖北省からの入境禁止→中国大陸全土からの商用目的以外での入境禁止→中国大陸全土からの原則入境禁止というふうに、水際での防衛を行ってきました。この点において、春節に大量の中国人観光客を受け入れた日本とは、厳格さと迅速さにおいて、対応の差が大きく出ました。日本では「中国からの観光客を入れるな」という声が喧しいですが、このまま日本国内での感染拡大が続けば、台湾では逆に「日本からの観光客を入れるな」「日本からの入国者は一定期間隔離すべき」という状況が起こりそうです。
また、日本でも欠品が続くマスクについても、いち早く台湾から国外へのマスク輸出を禁止したり、マスクの販売数量に関しても行政が介入して数量を限定し、台湾国民が持つIDカード末尾番号の奇数と偶数で購入可能日を分けるなどして、買い占め、転売を防いでいます。また、台湾では政府がマスクの在庫状況を公開し、それに呼応して有志のプログラマが結集、無償でアプリ開発を行って、薬局各店の在庫をCSV形式で集め、いまどこの薬局でマスクの在庫があるのかを一目で分かるようにしました。これらは日本では想像もできない取り組みです。
【参考】台湾政府がマスクのリアルタイム在庫状況を公開し、数日で50以上のアプリが爆誕
結果として、現時点で台湾は日本よりも水際での防衛に成功し、国内での感染拡大をいまのところ防いでいます。
ここまで徹底した防疫体制の背景にあるのは、2003年のSARSで感染拡大阻止に失敗し、73人の死者を出したことがあります。行政の迅速さと厳格さ、そして国民ひとりひとりが防疫の意識を持つという「覚悟」が、幸いにもSARSで全く死者を出さなかった日本とは決定的に違っていました。
現在、台湾は日本への渡航を「注意喚起」レベルに留めていますが、今後日本国内での感染拡大とともに、レベルが引き上げられることは十分に考えられます。
日本は、台湾にとって最も人気のある渡航先です。当社でも様々な対応を行っております。
↑台湾の各メディアに対し、日本国内の最新情報の提供
↑「日本はなぜ強制隔離に消極的なのか?」などの疑問を日本人の観点で解説
↑日本のマスクに関しての情報をYouTubeで提供
今回の新型肺炎の日本国内における感染拡大は、台湾からの訪日観光を基幹事業とする当社にとって、間違いなく大きな痛手です。
しかし、当社としてはこういう時こそメディアとしての「矜持」を見せる時だと考えます。日本と台湾に拠点をもつメディアカンパニーとして、台湾で多くのお客様にご利用いただくサービスを提供する会社として、多くのユーザに正しい情報を迅速に届ける時です。命を燃やします。