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緊急事態宣言解除!今こそ問い直す、飲み会の意義と効用
山形県鶴岡市役所が、職員に対して「忘年会、新年会は”積極的に参加を”」と呼びかけ、炎上している。コロナによって窮地にある飲食業界を支援しようという目論見だっただろうが、コロナが相当程度落ち着いている中ではあるものの、さすがに「積極的に」は、役所が文面で出すに時期尚早だった。
【朝日新聞】忘年会、新年会は「積極的に参加を」 山形県鶴岡市が職員に呼びかけ
コロナ対策に気を引き締めるべきという声とともに、ネット上の意見として多かったのが「飲み会が苦痛」「文書での呼びかけは、飲み会への参加強制や、参加しない人へのパワハラにつながる」というもの。これも確かに、「何であの人いかないの?」とか「あいつは寒いやつだ」という揶揄の温床になりかねない。実際多くの人が、コロナによって会社の飲み会に参加しなくてよくなった事を歓迎し、肯定的に捉えているようだ。
確かに、上司や先輩など好きでもない人と、業務時間外に、これまた好きでもないお酒を飲むなんて、苦痛でしかない。そのうえ割り勘だったりしたら、最悪の罰ゲームだ。「時間もお金も、もっと有効な活用法があったのに…..」と悔やんでも悔みきれない。私もサラリーマン時代、毎日のように仕事の飲み会があり、なかなかきつかった。宴会が大好きな私ですら憂鬱なのだから、そうでない人の苦痛は察するにあまりある。
しかし、人間は古代から洋の東西を問わず、会食を人間関係構築のツールとして駆使してきた。古代ローマでも古代中国でも、食事をともにする事で、自分には敵意がない事を示し、打ち解け、組織をつくり上げ、外交を円滑なものとしてきた。
↑ポンペイの壁画。ローマ人の会食の様子が描かれている。
どんなにテクノロジーが進化したとて、人間という生き物のこころや身体は変化していない。そしてビジネスとは、人と人とのチームプレーで行われるものだ。だから、会食というのはとても有効な「ツール」である事は、現代でも変わりない。むしろデジタル全盛の時代を迎え、アナログなコミュニケーションの機会が減るほど、食事を共にする事の効用は以前よりもっと大きくなっていると言える。業種にもよるだろうが、「全ての業務がオンラインで完結する」「地方に住んでリモートワークで無問題」はあり得ない。アナログなコミュニケーションによって信頼関係は醸成され、一見仕事とは関係ない無駄話や余白の中から、新しいアイディアは芽吹く。人と人との信頼関係やアイディアの種は、イノベーションに最も重要な要素だ。
だから、私は飲み会を重視する。自分も日本全国で多くの人と会食するし、社員の皆にも、日頃の業務円滑化のために、たまには社員同士で集い、食事を共にしてほしいと願う。
しかしながら、社員の皆に業務時間後の飲み会参加を強制したり、費用の負担はかけたくない。ならば方法はただひとつ、業務時間中・全額会社負担でやるしかない。いまはコロナで開催していないが、去年までは半年に1回程度、全社員が集まっての飲み会を、平日の昼間から開催していた。業務の一環なので全員有無を言わさず参加してもらうし、あくまで仕事として全力で楽しんでもらう。もちろん飲みたくない人は飲む必要はない。ジュースでもお茶でも、好きなものを飲めばいい。そして役員やマネージャー陣は、全員が楽しめるよう、全体の雰囲気が良くなるよう努める。
10年弱企業経営をして実感するが、職場の雰囲気はボトムアップでは絶対に良くならない。決裁権を持つ人たちが、トップダウンで良くしようと努めなければ、雰囲気は良くならないと断言できる。飲み会で上座にデンとあぐらをかいている上司はクソ、無能。偉い人ほど、場を盛り上げる太鼓持ちでなければならない。
↑或る日の飲み会@当社台湾法人。社長の雲龍型飲みに、台湾人社員も歓喜してこの笑顔。
冒頭の山形県鶴岡市のニュースについて、ネットの反響で「飲み会が苦痛」という声が多かった一因には、お酒が苦手、或いは時間やお金がもったいないという理由のほかに、職場の雰囲気が悪いことも一因(というかかなり大きい要因)だと思う。
責任ある立場にある人は、日頃ストレスも多くなかなか部下に弱みを見せられないかも知れないが、たまには宴会をみずから開催し、最高の幇間(江戸時代、宴席やお座敷などの酒席において主や客の機嫌をとり、自ら芸を見せ、さらに芸者・舞妓を助けて場を盛り上げた職業)、つまりエンターテイナーに徹しても良いのではないだろうか。